紛らわしい「任意売却」の意味

何年も前の話ですが、任意売却の案件で町工場の査定をする事になり、相場をいくつかの地元不動産業者に聞いた事がありました。

数日後、相場を教えて頂いた業者の一人から是非とも自社で買取したいという申し出があり、価格提示までしてきました。

その業者は地元密着で建売事業をおこなっており、何があってもこの地域で他社の建売を阻止したいという考えから、価格面では通常考えられない程の好条件を提示してきました。

 

私はこの案件が「任意売却」で売却には債権者の同意がいる事と仮に契約になっても現状有姿で境界の確定など費用のかかる事はできないと伝えました。

しかし、この担当者は「境界確定と工場内に荷物が残る事は譲れない。これ程の価格で買うのだから売主がやってくれてもいいじゃないですか。」の一点張り。

私が「任意売却なので高い価格で契約しても全て債権者が回収するのです。境界確定も荷物を搬出するお金も売主にはありません。任意売却なんですからそこの所を分かって下さいよ」

といっても、「私が普段売っている新築住宅も売主と買主が売買する任意の売却です。うちは境界確定まできっちりしています。」と全く話が噛み合わず困りました。

 

「任意売却」という言葉は確かに紛らわしいです。

今は当時より「任意売却」という言葉も一般的になったのでこんな事はないのかもしれませんが・・・。

 

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