不動産の売却をしようとする場合、まず最初に行うのは「不動産の価格査定」です。
時々、複数の業者に査定依頼を出して、一番高い査定金額をつけてきた所に売却依頼をすると仰る売主がいます。
しかし、不動産の価格査定は決してそんな単純なものではありません。
本当に重要なのは、査定価格の高低でなく査定価格を導き出した根拠だと私は考えます。
「不動産」は「車」などの動産と異なり、現実的にこの世で全く同じものが2つと存在しません。
土地の面積や建物の使用状況、間取、方位、景色などの要素を査定者が如何に考慮するかで査定価格は決まります。
それ故に、査定価格が不動産業者によって数百万円異なる場合もでてきます。
売主から見れば高い査定額が良いのは理解できますが、この査定価格はあくまでも仲介業者の意見価格であって、買取価格ではありません。
つまり、査定金額で売れる保証は何もないのです。
そのため査定額が高いだけの理由でその業者に売却依頼をするのは、売主にとって何のメリットもありません。
繰り返しになりますが、良い査定というのは実際に売りに出した時に査定額と売却価格との差異が少ない査定であり、私は、査定物件を客観的に分析でき販売時にどの様な影響があるかを指摘してくれる不動産業者こそが、売主に貢献できる不動産業者だと断言します。