債権者と任意売却の交渉をはじめる際に、
「うちは売買代金で元金全額と遅延損害金まで充当できると考えています」と言われる事があります。
これは、債権者として一切の損切りをするつもりがないと言う意味です。
任意売却において、債権者の協力なしに取引は成立しませんので、こう言われてしまうと不動産業者としてできる事は限られてきます。
しかし、元金のみならず遅延損害金まで一切まけないというならば既にその債権者の指示及び同意は関係なくなります。
この事は、任意売却を行う上で非常に重要なポイントです。なぜなら、価格の最終決定権者が変わるためです。
主に住宅金融支援機構の案件などで、債務の全額返済額を大きく上回った「債権者の指示価格」で販売しているのを時々見かけますが、その価格が相場と掛け離れているならば時間の無駄です。
日々、遅延損害金が膨らんでいくのをなぜ放置しているのかと疑問に思います。
また、何度も繰り返し述べていますが、任意売却は競売と時間の戦いです。
この様に無駄な販売期間を過ごした挙句、時間切れで競売となればそれは不動産業者の力量不足です。
価格の決定権者を見誤っていては到底、任意売却に取り組む資格がありません。
この様な失敗をしないためにも、債務者の方は任意売却に精通した業者を選定して頂きたく思います。